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学ぶことの価値や楽しさをじかに教えていただけたのだったと思う。今回の合同研修で見聞きしたことや教わったことはこれからも忘れることなく、今後の人生に生かしていきたいと思う。皆が幸せになるために、私自身ができることを少しずつでも行っていきたい。Ⅱ(福)旭川荘障害者支援施設愛育寮生活支援員吉本信介デンマークの「ゆりかごから墓場まで」を体験するのがこの合同研修の目的です。そのように千葉先生はおっしゃられた。計10か所で、デンマークの社会福祉制度の歴史や子どもから高齢者までの手厚いケアを学び、デンマークと日本の大きな違いを肌で感じることができた。私は、合同研修が始まる前までは、デンマークは高福祉高負担、お金がたくさんあるから社会福祉制度が充実しているのだとしか思っていなかった。もちろん、建物の広さや器具の充実さは明らかに違い、職員数も充実している。ITも普及しており、パソコンでの情報管理はもちろんタブレットもひとつのツールとして使われていた。また、街中を歩いても、階段横にはリフトがあり、障がい者用のトイレも十分に確保されている。障がい者が街中を電動車いすで移動していたり、ヘルパーが同行し買い物を楽しんでいる姿がよく目についた。障がい者にとって大変住みやすい国であると同時に、この設備を実現するには莫大な予算が必要であるとも感じた。千葉先生の講義の中で、今の日本に足りないものは教育だと述べられていた。対話による相互作用で人間学や社会学を学び、真の民主主義を確立しなければない。デンマークでは、その礎になったのがFolkeHojskole(国民生活大学)である。試験はなく資格取得もなく18歳以上であれば誰でも入れる大学、そして対話をしながら学び答えを出すことが1840年代から行われていた。その中で、農協組合や労働組合ができ、助け合いという福祉の原点が生まれた。その原点があるからこそ、必要な人に必要な支援をという平等の考え方が生まれたのである。また、私たちが到着した頃、学校がロックアウトされていた。デンマークでも極めてまれなことだということではあるが、労使がぶつかり権利を獲得しようとする姿勢を直に感じた。日本の福祉現場では、労働環境や処遇が極めて劣悪である。記録に追われたり、人が足りず超過勤務になったり、設備が整っておらず体を痛めたりと、デンマーク人には理解できないことである。また、効率やコストダウンも重視しており、無駄を省きお金や時間を必要なところへ回す取り組みが行われていた。日本の福祉の現場でも、助け合いや合理性の発想がもっと浸透すれば、支える側と支えられる側皆で幸せになれるのではないだろうか。幸せな国とは何なのかを対話により答えを導くことで、日本の社会福祉国家の礎となる人づくりが可能になる。すべての人が意見を述べ、それを尊重し、時にはぶつかることで、本当の自由と平等と博愛が獲得できるのではないだろうか。現在の日本で圧倒的に足りないのはその部分である。おわりに、5日間の合同研修はデンマークの社会制度を理解するだけではなく、個人研修に向けての準備期間になった。2ヶ月間異国の地で生活することの不安を抱えながら、さらに気持ちが空?12?