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kaigaikenshu_41
Ⅰはじめに今回、この研修の機会を得て北欧2国の研修を希望していたが、ふとした縁からフランス、ドイツを含む4か国7か所での研修に参加できることになった。多くの施設での研修が叶ったことは願ったりかなったりだったが不安もあった。私の勤める保育所と同地域の他の保育所ひとつを比べても施設の特徴は大きく違っている。国をまたいだいくつかの保育所、施設への訪問から何が見えるのか、木を見て森を見ずの研修にならないだろうかと思ったりもした。しかし、いったん現地での研修が始まり、今こうして振り返ると、この研修を通して得られたことは決してバラバラなものではなかったことに気がついた。それぞれの園が確固とした理念に基づいた豊かな特性を持っていたが、それは何よりも子どもたち一人ひとりが最大限に尊重され尊敬されていることに根付いたものであり、そのことにしっかりと触れたことを実感できたことは何よりもうれしいことだった。今回、そういった子どもたちの主体性を育む保育の環境、そして保育士らの支援に視点をあて、これら一連の経験と印象をできるだけ事実にそった形で報告できたらと思う。Ⅱデンマーク王国デンマークは女性の就業率がとても高く、0歳から10歳の子どもを持つ母親の約8割がフルタイムで働いている。その背景には、有給育休制度や在宅育児手当の充実、保育ママ制度の普及などの影響が大きい。またこの国は、幼児教育・保育への公的投資率は世界1、2位でもある。「子どもの庭」と総称されるデンマークの幼稚園は、日本の幼稚園とは異なり「ケア」の要素を併せ持っている。子どもたちの多くが3歳からこういった幼稚園で過ごし、概ね7歳の就学を前に「幼稚園学級」(通称「0年生」)での教育を受ける。保育時間は原則6時から夕方5時で、居残り保育や土日保育、24時間保育は一般的に行われていない。今回訪問した2園は、「セルアイネ」と呼ばれる一部公立でコミューン(市単位の自治体)と民間の共同運営の「農場幼稚園」と、フレデリシア地域の中核となるコミューン立「統合療育幼稚園」である。両園ともにデンマークでは一般的な混合縦割りクラス編成であった。ブロービー(Broby)1.Bornehaven Kaptajngarden(4月22日~5月3日)~農場幼稚園~?18?保育園の敷地で飼っている羊4頭