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kaigaikenshu_41
登園後の朝の時間、Sちゃんは立位補助具をつけてお絵描きをしたり、仲良しのLちゃんとあそんだりしてすごした。9時頃から戸外あそびの時間となり、先に外に出たLちゃんを追って出ようとするSちゃんだったが、防寒着を着て歩行器で歩いて出る間、保育士らは必要最低限の介助しかしないのでかなりの時間がかかってしまった。昼食時はクラス全員がテーブルを囲み、Sちゃんら3人は食事専用の車椅子に座った。Sちゃ歩行器を使うSちゃんんは食事場面では全て介助されながらの食事だったが、Lちゃんと並んでいい雰囲気で笑顔いっぱいに食べていた。食後も、Sちゃんはクラスの友だちと同様に再び戸外に出た。遅れながらも自分で支度をして、Lちゃんと一緒だったり離れたりしながらおやつの時間まで園庭であそび続けた。Sちゃんのような特別な支援を要する子どもたちには週単位のリハビリが組まれている。Sちゃんの場合、PTとの歩行練習とST(スピーチセラピスト)とのコミュニケーション練習が週2回ずつ入っSちゃんが使っているソフトていた。今回見学したSTとのリハビリでは、Sちゃんに永久貸与されたコミュニケーションエイド(写真)が使われていた。Sちゃんが夢中になってゲームをしていたのが印象的だった。(3)ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health. Childrenand Youth)「国際生活機能分類にもとづく幼児の発達評価指標」の活用ICFは要支援児の発達評価の指標として広く利用されている。この園では、統合グループに在籍する一般の子どもたちも同じスケールで評価される。子どもに関わるすべての専門家は、4ヶ月ごとにICFミーティングに参加し支援の内容を見直しているとのことだった。Ⅲフィンランド共和国PISA(OECD生徒の学習到達度調査)で近年2度続けて世界一となったフィンランドは、塾も競争もない「教育大国」としても有名である。この国では出産以前からの家族政策・子育て支援・幼児期の教育が重要視されてきた。父親の約半数が育児休暇を利用していることにも象徴されるように、生後10ヶ月までの殆どの子どもが家庭で育っている。フィンランドでは、幼児教育とケアを兼ねた市営の「デイケアセンター」(幼稚園)が主要な保育機関である。6歳の就学前教育まではファミリータイプのケアを受ける子も多く、日本や他の国に比べると幼稚園利用率はそれほど高くない。デイケアは少人数グループでの保育が原則で、0歳?21?