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kaigaikenshu_41
14名勤務していることである。彼らの殆どは脊髄損傷者で中には脳性麻痺者もいる。彼らは直接患者へ生活指導から車椅子操作、車椅子の選択やシーティング、脊髄損傷者特有の悩みや相談にのり、そのすべてがPeer Support(直訳:仲間の支援)であった。当事者であるからこそ分かることや感じる事があり、時には叱咤激励することも出来る。私たち医療従事者がどんなに正しい事を言ったとしても、理想論にすぎない事もある。また、発症から間もない患者は多くの不様々な用途で使用する体育館安を抱えているが、入院中から当事者同士のコミュニティーが確立されその不安も軽減される。また、同じような障がいを持つ先輩方の生の生活を見る機会が持て、将来の自分を想像することも可能である。「車椅子で沢山できることがあるんだ」「趣味も続けられそう」「様々なケアプランを使って仕事復帰できる」「車椅子スポーツって楽しそう」等々、脊髄損傷者として自分の生きる道しるべを示してくれる先輩たちの存在は偉大である。私の施設でも月に2回、「脊損ピアサポート」という入院中の脊髄損傷者に対し先輩方からアドバイスをもらい、今後の社会生活に役立ててもらう取り組みをしている。多忙な社会生活の合間を縫って当施設に来て頂き、大変有り難いことである。しかし、決められた時間内で情報を共有する事は中々難しい面があるのも事実である。可能であれば、より身近にピアサポーターが活動できる環境車椅子スキルアップ用のトレーニングルーム調整が望まれる。(4)ユニークな社会福祉制度この国の医療福祉システムを知れば、そのユニークさが理解できる。医療費は原則無料。脊髄損傷者になってからの入院費、リハビリ費、車椅子?クッション?ベッド?リフター等の補装具?福祉用具(これらは貸与という位置づけ)と家屋改修費、そして全てのケアプランが無料なのである。情報としては理解していたものの、これらを目の当たりにすると愕然としてしまった。特に車椅子に関しては日本でもスウェーデン製の車椅子は軽くて丈夫、座位保持力にも優れていることで知られているが、非常に高価で購入できる人は限られている。しかし、スウェーデン政府が一台目の車椅子はその高価な車椅子が安定していて初心者には良いと推奨しているそうだから尚さら驚いてしまった。「必要な物が必要な人に提供される」、これを当たり前とするスウェーデンの社会福祉制度は実にユニークだし、脊髄損傷者の生活にとって非常に重要な事である。それ?56?