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る。この場所で患者同士が集まり同じ悩みを共有し、先輩方の意見や時には専門家からのアドバイスをもらいながら、脊髄損傷を患った自分の体を深く理解していく。自立と一言で言っても、様々な自立があり精神的にも肉体的にも総合的な自立(自律)の援助が必要である。(7)患者教育患者教育の一環で車椅子スキルトレーニングがある。このトレーニングは外部から車椅子ユーザーの講師を招いて基本的な車椅子スキルについて学ぶ。コースは電動車椅子と手動車椅子の二つあり、使用している車椅子によって各々のコースを受ける。電動車椅子のコースは主にOT主体で実施され、頚髄損傷者でも特に手が上手く動かせない、または高齢で力が弱い患者が対象である。車椅子姿勢の安定を図った上で車椅子を操作するバー(ジョイスティックと呼ぶ)の形を巧みに変化させ、バーを患者が使いやすい位置に移動することで、介助なしでの自力駆動を目標にアプローチしていた。「好きな時に好きな所に介助なしで行く事が出来る」、この自立は患者にとって非常に大切なことである。私を含め、多くの日本のPTは能力の向上に主眼を置き、特にトランスファーや歩行を重視する傾向にある。もちろん将来的な機能の向上のためのリハビリテーションは大切であるが、身近な機能を最大限に活かす事によって、一つでも自分で出来る事を増やすのも同じ位大切な事である。脊髄損傷は専門性の高い疾患であるがゆえ、決められたリハビリ期間の中で、医療者がより高い専門性を持っていなければ、どの機能にアプローチして患者の希望を実現できるか分からない。私自身、もっと研鑽を積まなければならない。Spinal staffと記念写真。後列右端がSuperintendent Physiotherapist Mrs. Dot TusslerⅣオーストラリア連邦Queensland州BrisbanePrincess Alexandra Hospital(Spinal Injuries Unit)(5月27日~6月14日)~公立病院内脊髄損傷病棟~Key words:呼吸理学療法オーストラリアのPT手厚いサポート体制PTの労働環境この国の消費税率は10%、医療費は原則無料。(1)施設概要オーストラリアの北東部に位置するQueensland州(州都ブリスベン)。日本から一番近いケア?61?