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Banff Child Care Centre(5月23日? 5月28日)保育園(1)子供と大人の間にある信頼関係「アツシ、今日の夕方サッカーのゲームがあるから、一緒に練習して遊ぼうよ!」研修一日目の外遊びの時間、4歳児の子供が私を誘ってきた。知り合って間もなくである。Canadaの子供達は、遊びの中で大人との関わりを多く求めるようだ。現場の保育士も又、子供達の要求に応えるように積極的に遊びに介入する姿がみえる。Canadaに来て、私もようやく英語を使える環境に入り、子供との対話を楽しみながら一緒に遊んだ。園庭の滑り台で遊ぶ園児達「私たち社会人は、子育てや保育を通して子供が大人や社会を信頼できるような取組みを心がけなくてはならない。それが強く協調性のある社会の基盤となるからです。」Foster園長先生との対談の中でそんな話を聞いた。移民が多いBanff、もともと生活の価値観が違う人々の集団だから連帯意識を強めようとするのか、いや、きっと厳しい自然と野生動物に囲まれた環境だからこそ、人との繋がりを大切にするのかもしれない。とにかくBanffの住民はこの町を愛し、良い町にしていこうという意識が強い。保育活動や一日の流れ等、欧州と大陸による文化の違いを垣間見ることができた。例えば、一斉で行う活動内容の順序等、生活習慣を身につける活動が体系的に組み込まれている。テーマを持った保育活動も組み込まれているようだ。(2)自然との共生ロッキー山脈の生活は厳しい。手つかずの自然、野生動物、厳しい冬、日本の東京のような都市の便利な生活からは、想像もつかない。例えば、この町には住民と野生動物の生活境界線が存在しない。夕暮れ時にはエルクという大鹿が群をなして町一番の大通りを横切る光景を目の当たりにする。黒熊が餌を目当てに家の裏庭の木を登っている姿を見て硬直する。日本でこのようなことが起こったら、まず安全のため野生の世界と人の生活を隔離するのではないだろうか。Canadaの人は、危険なことに直面し、知ることも自然との共生であると考えるのだろう。地域の自然保護のために行う野焼きは、興味深い取り組みである。自然の森に人間が手を加えることで、成長の循環を健全に促すことが出来るというのだ。野焼きといっても、そこには30m程の針葉樹が生い茂っているので、日本の野焼きとは規模が違う。軽い山火事のようなものだ。この野焼きの習慣は、その地域一帯が植民地化される前から先住民によって、何千年も行われていたらしい。近年の自然保護に関する研究によって定期的な野焼きの重要性が明らかになったよ?32?