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〈6月7日〉「本気が足りない」との言葉。本気、本気、本気。自分では本気で何にでも取り組んでいるつもりであったが、もっと落とし込んで心で考えなさい、と。心の底から湧いてくる気持ちが小さいのか。心を見つめる苦しい作業を行う。〈6月8日〉馬小屋掃除の際に腰を痛めてしまう。精神面に重点をおいて研修することになる。〈6月15日〉「気持ち」、「考え」、「言葉」を一致させる。人にも馬にも想いが通じるように。例えば、「馬が怖い」との気持ちがあるのに、「臆病者と思われたくない」と考え、「かわいい馬ですね」と言葉を発しても不自然さが出るだろう。人間関係でも同じである。気持ちでは「嫌い」でも「親しくしているほうが得だ」と考え、調子の良い言葉で取り繕っても、やはり気持ちは通じてしまう。これら3つは互いに影響しあっているので、考え方を変えれば気持ちや言葉を変えることが出来る。上の例だと「苦手な人だけど良いところを見つけよう」と考え、その人と本当に向き合うための言葉を使う。全ての人が良い面を持っているので「自分とは合わないけど良いとこもある人」との気持ちになるかも知れない。説明するのは簡単だが実際に自分をコントロールするのは、とても難しい。しかしながら、馬とも人とも真剣に関わるならば必要なことだと感じている。〈6月18日〉アメリカではLunday氏から心をガツンガツンと叩かれていた。研修が終了して日本へ帰って叩かれることが無くなったら心に付いたペンキが剥がれなくなってしまう。小さなことをひとつひとつ、自分の本当の気持ちなのか、偽りはないか、エゴはないか、沈思黙考して自分でペンキを剥がしていくようにとの話がある。以上のように馬と接する際の心構えは全て人との関わりにも置き換えて考えることが出来る。これがLunday氏の施設では馬を媒体として、人間関係、リーダーシップ、子育てなどを指導している所以である。ここで学んだことは「自分を律しておくことの大切さ」である。馬ならば技術だけで、人間ならば言葉だけでもどうにかその場を乗り切ることは可能である。しかしそれでは本当の意味での「関わり」となってはいない。心の深いところからお互いにわかり合おうとするのならば、まず自分の姿に偽りが無いかを見つめ澄んだ状態にしておくことである。意識変革のために馬の技術的な研修と共に、ヨガ、呼吸法、瞑想を毎日行っていた。現在でも少しずつ、心が開いてきているような感覚になる時がある。馬の勉強に行って、まさか瞑想をすることになるとは予想だにしていなかったが、先述のような思考方法を経験できたことは大きな財産となっている。?52?