kaigaikenshu_42

kaigaikenshu_42 page 69/106

電子ブックを開く

このページは kaigaikenshu_42 の電子ブックに掲載されている69ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
kaigaikenshu_42

れた。しかし身振りと英語で私も生徒だと示すと、その後それを認められて、生徒と一緒に食事やお茶を楽しむ事が出来た。この規則の意味を先生の一人との会話から聞いた。障害者と言うと、皆が優しさで手助けをすることが多く、自主性を失うことがあり、開所当時、作家らの争いや様々なトラブルが多く、先生の介入がしばしばあった。しかし、試行錯誤を重ねるうちに、生徒たちが自主的に自分の出来る事をやるのが重要と気が付いたという。その上で、作家としての自覚、そして、他の作品と作家への尊重が起こり創作の閃きや着想をお互いに感じ始めて、徐々に人間関係の調和が生まれたそうだ。環境を職員のみが作るのではなく、自らが作るとの意識が自主性となり、創作の感性の意識で調和ある活動につながる。私の研修中にも、ヒステリックに怒りを爆発させた女性作家が職員の介入無く、周りの作家らの行動で穏やかになった状況を見た。・活動の目的意識アトリエの活動は多様性に富み、それらの活動に創作の意義を意識している。健康管理に対しても、体調の不具合で創作への集中力がなくなると考えている。週に1回トレーナーに来てもらう活動と、朝と昼食後に有志らでストレッチや軽いダンス的運動をしていた。後者の活動は、専門的な知識の裏付けられた内容ではないが、自主的に行われていて作家の健康への意識は、確かなものになっている。すべての活動の理念が、芸術表現に起源することにより、既存の福祉にありがちな「能力向上を目的に作業を教える。」「周りが感じたことを、本人にさせる。」「面倒を見る。」等の指導、指示、施し的な発想が、見事に本人主体の意思からの創作的活動になっていた。・作家としての人生作家は、生き方を尊重されている。当然、作家の恋人同士は、アトリエでキスをするし、周りは、それに多くは干渉をしない。結婚している女性作家もいる。その方の逸話も面白い。愛妻家の旦那さん、活動終了時間に仕事の都合が合えば、迎えに来る。ある時、その女性作家がBIFROSTの作家である他の男性を気になるようになり、その男性に旦那さんがヤキモチを焼いて、大変だったそうだ。ちなみに、どのように大変だったかは、聞いていない・・・。プレスリーLOVEです他の作家の一人は、BIFROSTの開所時間9時~14時以外と週末の休みも創作活動がしたいと訴えて、現在では、自分で小さなアトリエ兼ギャラリーを町のテナントに借りている。アパートとその空間を借りる経済的な仕組みは、早期年金、作品の売り上げなどで賄っている。本人は、健康と経済面を考えて、ビールなどアルコールを飲まなくなった事や彼女(BIFROSTにglamourousな恋人がいる)とのカフェデートも毎日しない。などと片言の英語で説明してくれた。生活を、周りの人や環境も支えているが、その根本には、彼の人生が尊重されているから成立する。生活を型にはめるのではなく、本人の意思をいかに実現するかを周りがサポートしているのだ。?65?