kaigaikenshu_42

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弾んだ訳ではなかった、作家は絵画に向かってしまった。この日、このアトリエは、14時で閉まる。peterさんは、作家らを残して早々に帰宅してしまった。しかし、その作家さんは一人工房で創作に取り組んでいた。再び、彼のアトリエを訪ねた。すると彼は、長い時間をかけて次々としまい込んである作品を笑顔とゆっくりとしたデンマーク語の説明付きで見せてくれた。作品から伝わってくる素朴な生命力と彼のはにかんだ笑顔が生きる事の純粋な魅力を教えてくれた。私も英語で感じたことを発した。その後、バンドのGerhardさんの自宅に夕食の招待を受けていたので、一緒に車に乗り込むと、「ついさっき、作家の彼がカフェでNobuの事をものすごくいっぱい話をしていた。珍しい事だよ。相当気が合ったみたいだね。」と話してくれた。嬉しかった。言葉にできない事を共感、交感すると不思議な感覚が胸に訪れる。・「生きる喜び」の感性と「福祉国家」このアトリエでは、誰もが満足した豊かな生き方「真の福祉」が実現される為の個々の意識を様々な行動から見つけた。それは、各々の個人が自分の持った能力を他者との優劣として比べていないようだ。各々の能力の可能性を邪魔せず、持ちえた能力の可能性をお互いが最大限に発揮する。しかし、自他との調和があり、能力を、生産性や社会の評価による基準で判断をしていない。純粋な生きる喜びには、能力の可能性に見合った自分の行動が必要で、そこに己で満足を感じるのだろう。その思想を多くの市民が持つことは、「福祉国家」の基本である気がする。Gerhardさんのお宅で奥様のMilleさんからデンマークの教育の理念の原点や思想は、Grundtvig(グルントヴィ)の教育論、「テストを否定し、考える事が教育」からの影響が大きい事を聞いた。「真の福祉」を考えるには、学ばなければならない思想だと思っている。・「Bali」バンドの日常交流を何度も重ねて「Bali」メンバーの大ファンの私である。日常の練習に参加出来るこの日が楽しみであった。この日は、先日のメーデーの演奏に参加していなかった女性ボーカリストもいた。朝、バンドメンバー7人が揃い、Gerhardさんと私も混じり、各々ギターやジャンベ(アフリカの太鼓)等の楽器を手に取り、輪になる。それぞれ、先日の休みの出来事を述べて、セッションが始まりますそこからキーワードを発表し楽器を決める。個々の話が終わる度にみんなでキーワードをフレーズにしたポップでテンポの良い曲を合唱する。自分の生活や言葉が音楽になる喜びと「和」の一体感が心地良い。そして、全員が話した後に宣言した楽器を持って、セッションとなる。ルールは、演奏を止めない。周りを感じて音を奏でる。始まると各々、マンドリン、ベース、ピアノ、木琴、サックス、オカリナ、笛等々を自由に、そして、周りを感じて音を奏でる。私は、ジャンベでリズムをとり、ノリノリになり、楽器を変えディジュリドゥ(オー?70?