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概要:
kaigaikenshu_42
Lagerhausは、セントガレンのカルチャーセンターから独立した美術館である。・学びと気づきアールブリュットコレクションへは、事前に研修を打診していたのだが、福祉的な機能などもなく学芸員的な研修も無理だが、いつでも訪問は歓迎するとの返事であった。なので、美術館を訪問し、学芸員と話す機会程度と考えていた。スイスに到着して電車の手配をし訪問日をメールで知らせると、館長が会ってくれるとの事である。指定された日は、私の訪問予定の翌日で結果として2日間の研修になった。初日、まだ、開館前に到着して、受付の方に研修の事を話すと直ぐに館内に入れてくれた。中では、地域の学生が開館前に芸術を学ぶ活動が行われていた。展示室の中に入ると作品の持っている力に吸い込まれるような錯覚に陥った。薄暗い部屋、黒の壁に展示される作品「生きる力」に刺激を与えてくる「術」の表現の数々。私は、作品に溶け込むように感覚を研ぎ澄ませて、時間をかけて一点一点作品に向かい合う。時が止まるような感覚の空間であった。時々、横で学生の団体が学芸員から作品の解説を受けていた。内容は、フランス語でまったく分からない。そして、作品に入り込むとその存在が無くなってしまう。かなりの時間と体力を使い脱力を感じたので外に出る。その私の姿を見て受付の方が、食事やお茶をしていらっしゃいと声をかけてくれた。ここには、社会でいう「福祉活動」の要素は、全く存在しない。しかし、作品群から感じる事は、「福祉」の原点であると確信する。翌日、館長のSarah Lombardiさんとの会談では、まず、日本のアールブリュットがスイスやフランスで注目を集めている事が分かった。来年、また予定している日本の作家の展覧会で新しい作家を紹介したいと協力を求められた。そこで、持っていた元養護学校の先生から預かっているセロファンテープで作った、ウルトラマンや怪獣のフィギュアを見せると、大喜びして下さった。そして、会談の中で、「福祉」と「芸術」関係性の話に及んだ。彼女は、ここで勤める前にカナダの福祉的アトリエで働いた経験があると言う。作家らの感性は、芸術であり、その力は、人に真摯に生きることを感じさせると共感した。当初30分程度の予定であったが、2時間近く議論した。そこで「福祉」を誰もが豊かに「生きる」事の方法やその社会の仕組みと考えれば、「芸術」は、その源の感性を磨くものであり、社会を作る個々の「福祉」感を育てるモノなのだと考えが浮かんだ。「芸術」は、言葉で理解しにくい「モノ・こと」を表現する「力」である。それこそ、福祉の源の「生きる術」が含まれている。帰りには、2008年の「日本のアール・ブリュット」展のカタログを頂いた。Lagerhausへは、事前連絡なしに訪問したが、到着して驚いた。日本人の作家らの展覧会が開催中だった。日本でもめぐり会えていなかったベネチア・ビエンナーレ出展作家でロザンヌの館長Sarahさんと事務室?76?