ブックタイトルkaigaikenshu_43

概要

kaigaikenshu_43

が施行されるなかで、日本の社会福祉政策は、社会民主主義レジームの形態からは決別して自由主義レジームの「小さな国家と市場中心の問題解決」の方向へと舵を切って歩んでいった。日本がモデルとした自由主義レジームの福祉国家の代表としては、アメリカとイギリスがあげられることは、筆者も書物や講演会などを通して知っていた。しかし、これらの国の福祉現場を見たことはこれまで一度もなかった。中央競馬馬主福祉財団の第43回海外研修生として、海外の福祉現場に触れる機会をもつにあたり、筆者は、米国と英国の障がい児・者と家族への支援を行っている福祉現場で研修することを希望した。【文献】・高林秀明（2008）障害者問題とは何か『障害者・家族の生活問題－社会福祉の取り組む課題とは－』、ミネルヴァ書房、pp.17-40.・一門恵子、浦野エイミ、勝俣暎史（1985）障害児を包含した親子心中、熊本大学教育学部紀要人文科学，34，pp.171-179.・安梅勅江（2004）「ノーマライゼーション」，岸本幸臣編著『生活のための福祉』コロナ出版，pp.104-107．Ⅱアメリカ合衆国カリフォルニア州在サンフランシスコ日本総領事館の資料によると、カリフォルニア州は、全米第三位の面積（42.4万平方キロ）と全米第一位の人口（38,800,000人）を誇り、GDPでは全米第一位の経済力（米国全体のGDPの13.3％相当）を有する（2013 U.S. Census）。州内の人種構成においては、白人39.0％、ラティ―ノ38.4％、アジア系14.1％、黒人6.6％となっている（2013 U.S. Census）。筆者が、研修を行ったサンフランシスコ・ベイエリアは、カリフォルニア州北部の大都市であるサンフランシスコとオークランドおよびその近郊の都市を含めたサンフランシスコ湾の湾岸地域を指し、シリコンバレーが含まれるハイテク産業の集積地としても有名である。１．Faircliff Home（4月13日～4月24日）～知的障がい者グループホーム～(1)施設概要Hayward（ヘイワード）にある知的障がい者のためのグループホームである。カリフォルニア州の保健福祉サービスは、州内のRegional Centerが中心機関となって履行しており、FaircliffHomeでは、Regional Centerが一人ひとりの支援の必要性の程度を査定し「レベル３（身? 103 ?