ブックタイトルkaigaikenshu_43
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Ⅴおわりに今回の海外研修は、今後構築されていく地域包括ケアシステムを学ぶ中で、私にとっての地域(コミュニティ)とは何だろう(どこだろう)?自分らしい暮らしとはどんな暮らしだろう?という素朴な疑問から始まった。生まれ育った地域から離れ、仕事の為に新しい地域へ転居する人たちが多い昨今、地域とのつながりや家族を始めとした人と人とのつながりが希薄な事も少なくない。今回、合同研修で訪れたサンフランシスコやトロントには共通点があった。どちらも“移民”が多いことである。故郷を離れ、言葉も文化も違う国で、頼れる家族もいないという環境において、自立した生活(自助)や“コミュニティ”による支えあい(互助)の発展は必要不可欠であったに違いない。そして、それがコミュニティケアの発展にもつながっていったのではないかと感じた。研修中の最後の休日に訪れたバーミンガム美術館で私の欲しかった答えは見つかった。大きな木の枝には近くの学校の子供たちが考える、“あなたにとってのコミュニティとは何?”という質問に対する答えが、色とりどりの葉っぱに書いてあった。「家族」「信頼」「文化」「アイデンティティ」など、そこにはたくさんの葉っぱがあった。“Community is not just where you live(コミュニティとは住んでいる地域のことではない)”“You have to make a community(コミュニティを作るべきである)”木の周りに大きく書いてあった。広義におけるコミュニティとは地域だけを指す言葉ではなく、職場でも、ママ友でも、サークル仲間でも何でもいいのである。そして一つでなくていい。そう考えると、随分と気持ちが楽になると共に、自分も何かコミュニティとのつながりを大切に、そして色々なコミュニティを作っていこうと感じた。今回の海外研修コミュニティもその一つである。素晴らしい機会と援助を与えて下さった中央競馬馬主社会福祉財団の皆様、合同研修でお世話になったサンフランシスコで活躍されている直井先生や稲垣先生、その他の講師の先生方や研修先施設のスタッフの皆様、そして研修前より支えあってきた43期生の研修生に感謝すると共に、このつながりを今後も大事にしていきたいと思う。そして、自分らしい生活について。“自分らしさ”とは自己選択や自己決定が行える事であり、その連続性が“自分らしさ”につながるのではないかと考える。私達専門職は自己の意見を尊重した上で、その選択や決定が実行できるようにサポートやマネージメントを行っていく必要があり、自分らしい生活を送り続ける事ができるように(継続できるように)、生活の場である地域へフィールドを広げた活動が重要であると考える。医療・介護連携については、各国共通のテーマであり今回の研修でも多くを学ぶ事ができた。多職種共働でのアプローチや中間・回復期のケア、アセスメントツールの検討など、今後日本においても活発に討議されていく事であろう。リハビリテーションの専門職として、できるADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)を、しているADLにつなげていく事、どのような支援があれば自立した生活が行えるようになるのかについて助言ができるように、日々の業?34?