ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

kaigaikenshu_43

教師が各々の文字を発音しながら、自分で読めるよう援助していた。作品への記名は、教師が名前の綴り方を聞いてその通りに書いて見せていた。トドラークラスでは教師の膝で、何度も絵本の読み聞かせを受ける子どもの姿に出会い、穏やかに優しい声での読み聞かせは子ども達の言語面に影響すると共に情緒面も大きく育んでいると感じた。掲示されている筆記体(6)教師教師は適切な声量で、子どもに近付いて囁くように穏やかに話し掛けている。注意をする時には直接指摘をするのではなく正しい方法を伝え、出来たらそれを認める。椅子や楽器の正しい扱い方を繰り返し根気よく伝えていた。間違った行動をする子には、正しい選択肢を2つ与え、一方を自ら選択して行動出来るようにし、押し付けずに自分で選んだ子どもは満足そうな表情を浮かべていた。あらゆる場面で自己決定をする子ども達の姿が見られた。教師の事はガイドとも呼ぶ事がある。ポートランド市ではモンテッソーリ教育が盛んでこの教育法を取り入れている施設も多い。モンテッソーリ教育を行いながらも、前の訪問先で私が参加したレッジョ・エミリア教育法の研修会等にも参加し、常に学ぶ姿勢を大切にして努力を重ねられていた園長先生のメルセデス氏から、良い教師は学び続ける、良い教師は子ども達から沢山学ぶと教わった。ごく自然に語られていたが、実践されている事が子ども達や職員の方々、園全体の雰囲気から伝わってきた。この言葉は教師や保育士に限らず、働き生きていく上でも大切な姿勢であり、今後心に留めて過ごしていきたい。Ⅲフィンランド人口約530万人の国、フィンランドの教育制度は2001年のPISA調査(OECD・経済協力開発機構が実施する各国15歳の生徒を対象とした学習到達度テスト)で世界トップになり、注目を集めた。学力よりもこれからの時代に必要な知識と能力を測定したと言われている。公用語はフィンランド語とスウェーデン語で、スウェーデン語を母国語としている人は約5.5%と言われ、北部ではサーメ語も使われている。スウェーデンやロシアに支配されていた歴史背景がある。国内に他言語がある事に慣れ、外国語を構えずに受け入れられる姿勢があり、語彙や文法も異なる英語を主に都市部で流暢に話す人が多い。世界共通語である英語で、国際社会へ自国についてアピールする事は重要である。比較的小さな国で、昔は森林産業、重工業が主だったが、国が教育に力を入れてから、国民の学力が向上、情報通信の分野が発展し世界で活躍している。フィンランドの教育省は世界の文化について知識を広げ、言語習得の機会をつくり、語学力や異文化理解の深まりが国際社会に通用する人間を育てる事に役立っている。?75?