ブックタイトルkaigaikenshu_44
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kaigaikenshu_44
9.4月15日13:00~15:00講義:「カリフォルニアにおける発達障害サービス」講師:伊藤イネ子M.A(ACMHSスーパーバイザー)報告者:正木陽子伊藤先生は、アジアンコミュニティメンタルヘルスサービス(Asian Community Mental HealthService:ACMHS)の所属であるが、イーストベイ(East Bay)エリアのリージョナルセンター(Regional Center)と契約を結び、リージョナルセンターでソーシャルワーカーとして活動されている。リージョナルセンターはカリフォルニア州にある発達障がいの人へサービスを提供する非営利団体である。発達障がいを持つ子どもの親が立ち上げた団体で、カリフォルニア州政府発達障がい局と委託契約を結んでいる。リージョナルセンターは発達障がいをもつ人へ生涯に渡る継続的なケアを与えている。発達障がいとは自閉症、知的障がい、てんかん、脳性麻痺を指す。支援は、3歳までの乳幼児対象の乳幼児早期介入プログラムと3歳以上への支援に分けられる。3歳までは、診断名がついていなくてもコミュニケーション、認知、社会的及び情動的適応、身体的、知的の分野のいずれかで1/3以上の遅滞が見受けられる場合支援を受けることができる。しかし、3歳以上になるとサービスを受けるためには、発達障がいの診断を受けている必要があり、その診断は18歳以下で受けていなければならない。また日常生活を送る上で2つ以上の分野で問題を抱えていることも求められる。ソーシャルワーカーはクライアントが来たら、まず45日以内に専門家と共にアセスメントを行い、上記の基準に従い、インテイクできるか判断する。そして、インテイクできると判断すると、また45日以内に必要なサービスを考え個人の支援計画を策定し、必要な支援が提供できるように支援体制を整えるのである。必要であれば家族に支援を与えることもある。実際にセラピーなどの支援を行うのはセラピストや医師といった外部の人物である。また、特別な教育が必要な子どもは3歳から学校に行くことができるため、3歳になると教育の責任は学校に移され、リージョナルセンター紹介のセラピストによる訓練ではなく学校での教育を受けるようになる。しかし、それでソーシャルワーカーとの関係が途切れる訳ではなく、ソーシャルワーカーは見守りを続ける。また、ソーシャルワーカーは6ヶ月ごとに評価を行い発達や変化の程度を査定することも義務付けられている。自立の時期になれば、住む場所を探すなど、生涯を通して支援を続けている。必要であれば、生涯の支援が得られることは当事者にとっても家族にとってもとても心強いことである。また、行った支援の評価を測定できる形で行い、その評価に基づき支援計画を変更していくことは有効な支援を行うためにとても重要となる。評価を測定できる、という視点はアメリカ全体でとても重要視されており、見習わなければならない点でもある。自閉症の支援に有効だとされる応用行動分析を行うプロの専門家がいることや、発達障がいに対しての支援が数多くあることに、感銘を受けた。?12?