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概要

kaigaikenshu_44

Iはじめに入所児童が「児童養護施設から家に帰ることになった」「高校を卒業し、児童養護施設を退所して仕事を始めた」これらは児童養護施設の職員が目標としていることであり、大変喜ばしいことでもある。家に帰り、安定した生活を送ることができている子どももいるし、自立退所し仕事を継続し自身の力で生活できている子どももいる。退所したAくんが仕事やめたって・・・BちゃんCくん姉弟はお家で上手くいってないみたい・・・Dちゃんが里親宅から施設に戻ってくるって・・・一方でこういった上手くいっていないケースも複数存在する。単に家庭復帰すればいいわけでも、単に施設を退所して生活していればいいわけでもない。子どもたちは、最善の場所で、自身の権利の保障された、安定した生活を送らなければならない。「上手くいかない」要因は、子どもの特性や障がいなど、子ども側にある場合と、養育能力や精神疾患など保護者・養育者側にある場合、またその両者の相互作用にある場合もある。施設の職員として、施設にいる間に子どもたちの精神的な安定を築くこと、自己肯定感や他者への信頼感を育むこと、子どもたちが必要な社会的スキルを獲得できるよう支援を行うことは当然の役割である。しかし、どれだけ子どもの成長を促しても生活環境が変われば子どもたちが適応するのにはまた努力が必要である。同時に、養育者にとっても子どもを受け入れることは大きな環境の変化である。養育者側が一人親家庭であったり、何らかの病気を持っているとさらに大きな負担である。つまり、家庭復帰・里親委託・自立、いずれのケースに対してもアフターケアは必要不可欠である。私が所属している施設でも充分なアフターケアを行うことができているかと言うと疑問である。そこには、人員数の問題もあれば、提供や紹介できるサービス自体が周囲に存在しないということもある。そこで、今回の研修の目的は、諸外国での社会的養護の現状や支援体制を視察・考察し、どうすれば私たちの所属地域でも充分なアフターケアを実施していくことが可能かを考える土台となる知見を得ることとした。IIアメリカ合衆国カリフォルニア州(4月16日? 5月8日)1. Concord House(コンコードハウス:発達障がい者グループホーム)(1)施設の概要East Bay Services to the Developmentally Disabledと言う団体が行っている事業の1つで、?19?