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概要

kaigaikenshu_44

自由である。親の休息が目的の場合は、受け入れ可能な定員に達すると、親に預ける日にちの変更を依頼するが、危機的状況の場合は定員以上でも受け入れる。平均、1日に5名の子どもが利用しており、スタッフは施設長1名、ケースマネージャー1名、直接処遇が2名で、その他はボランティアで賄っている。トレーニングを受けたボランティアは1週間に3時間働く。ケースマネージャーは、子どもを預かる際に、親に施設に預ける理由を尋ね、養育方法、仕事、結婚生活などに何か問題を抱えている場合は、問題解決への手助けも行う。利用上限の30日以内に問題が解決しない場合は子どもを預かってくれる別の施設を紹介したりもする。もちろん子どもの虐待が疑われる場合は通報も行う。ここは行政からの援助を全く受けておらず、運営資金は施設長が全て集めている。かなりの努力が必要であると予想される。ここにあるものは、衣類、オムツ、おもちゃ、食料も含め、全て寄付であり、家自体も地域の協力で建てられたものである。この点でもその他の施設と一線を画している。寄付されたものの中から施設を利用している家庭が持って帰るためのオムツや食料も用意している。物資の面でも利用家庭をサポートしている。7. Spectrum Center Valley Campus(スペクトラムセンターバレー校:特別支援学校)スペクトラムセンターはカリフォルニア州に認可された特別支援学校であり、5歳から22歳までのあらゆる障がいの児童を受け入れ応用行動分析(applied behavior analysis)を中心に科学的根拠に基づいた手法を利用した教育を行っている。スペクトラムセンターはカリフォルニア州全域に存在する。インクルージョンの視点から公立の学校の中で教育を行なっている所もあるが、今回は独自のキャンパスを持つ、バレー校へ伺った。バレー校には現在、41名の生徒が通っている。公立の学校の特別支援教室では手に負えなくなった子どもたちが、バレー校にやってくる。バレー校で教育を受け、自身で行動を抑制できるようになればまた公立の学校に戻る。子どもを公立の学校など、地域社会で暮らせる状態にすることがスペクトラムセンターの目標である。22歳までずっとバレー校で教育を受ける生徒もいるが、それよりも多くの生徒が公立の学校に戻っていく。精神疾患が理由で行動上の問題を起こしている場合は、どれだけ教えても問題は解決しない。こういったケースは、医療的な支援が必要で、病院に入らなければならないこともある。ただし、このようなケースは非常にまれで、基本的には皆、適応的な行動を学習できるとのことであった。バレー校では年齢やレベルによってクラスを分けており、基本的に3人に1人の割合で先生が付く。必要であれば1対1の支援も行なう。個々のレベルによって個別教育的なクラスや、集団教レベル&ルール表?27?