ブックタイトルkaigaikenshu_44
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う一因となっているのではないかと感じた。里親はボランティアや慈善事業ではない。ただ仕事と割り切って行うことができる種類の仕事でないことも確かである。Karinさんは里親のネットワークグループに参加しており、月に1回集まって、お互いの状況や悩みを話し合う。このグループは自然発生的にできたものでメンバーは6人。ここで話すことで共感し合えることはもちろん、自身の気持ちが消化でき、現在の状況などが自身の中で整理できるようになれる点でも有効的なグループのようである。ここに集まっている里親の方々は皆、里親になったことで里子から返ってくるものがたくさんあり、また子どもを良い方向へと変化させることに喜びを感じている。このことからも、プロとしての意識とともに愛情は不可欠なものであることを再認識させられた。Karinさんの里子の一人は来てからずっと母と会う時間を持っていたが、その子が大きくなった時に、「本当はお母さんに会いたいと思っていなかった。Karinさんが喜ぶから会っていた。」と言ったそうである。その際は、CWが来て、Karinと里子の話を聞き、「もう里子は大きくなり、自身で会いたいと思えば自力で会いに行ける力を持っているので、本人の気持ちに任せましょう。」という結論に至ったケースがあった。子どものためを思って行ったことでも、実は子ども本人の思いと反していることはいくらでも起こり得ることであり、子どもが成長して自己主張できるようになった時に、思いを正直に伝えられる関係性にあったこと、そして、それを受け止めCWに報告し、CWもきちんとフォローしたことに、里子と里親、そしてCWとの関係性の良さを感じ取ることができた。全ての会話を通し、Karinさんはとても優しく愛情に満ち、本人も里親であることを誇りに思い、ジレンマを感じながらも親であることとプロの里親であることを上手く両立させている様子が伺えた。こんな里親さんと暮らしたら気持ちが優しくなれるだろうと思わせる人であった。(6)Bogense Heldagsskole/Opholdssledet Sletten/Opholdssledet i Bogense(ボーゲンセヘルデゲススコーレ/オポールドステルドスリーテン/オポールドステルドイボーゲンセ:児童自立支援施設)ここも入居施設と特別支援学校が併設された私立の施設であるが、他のどこにも入所させるのが難しいティーンエイジャーが入所し、自立を目標とする施設である。ティーンエイジャーになって初めて家庭外の措置をしようとしても、この年齢になると里親には預けることができず、この施設に来ることになる。入所に際し、子どもと親の同意は必ず必要である。以前よりも子どもの持つ問題はより大きくなっていること、ティーンエイジャーになって初めて支援を受けるのでは、支援の開始としてはあまりにも遅く、対応がとても難しいことを何度も強調されていた。現代の子どもは活動的でなく、スポーツ活動等に参加させるのにも腰が重く、一苦労だという。彼らは、常に自分のことばかり考えており、常に携帯電話を触っている。現実世界でのコミュニケーションを取ることが難しいようである。入所可能な年齢は入所時点で13歳から18歳までで、一度入所すると29歳まで支援を受ける事?43?