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概要

kaigaikensyu45

? 14 ?10.4 月28 日 金曜日 13:30 ?17:00  講 義:社会福祉国家とは何か?幸福の定義?  講 師:千葉 忠夫  報告者:北海道済生会西小樽病院 みどりの里 作業療法士 小玉 武志 デンマークの社会福祉についての概略について質疑を行った。税金の使い道は主に3/4 は福祉に費やされている。年金や教育・医療・介護など、ほとんどの税金はこれらの事業に使われており、国民は約40%強(30%がコミューンで、国に収めるのは10%前後)の税金を納めている。これ以外にも消費税が25%である。それでも国民の85%がこれらの負担に対して賛成している。デンマークのインフラ整備は充実しているため、これらにお金を使うことは少なく、そのため、医療や教育、生活支援などに十分な金額を支払うことが可能である。現在の自治体の編成に変わったのは2007年で、それまであった多くのコミューンが合併し、1/3 程度の数になった。それによって、コミューンと国との地方分権が徹底され、その地域ごとの社会福祉を考えるようになった経緯がある。「福祉=生活」と置き換えると、地域ごとの生活が異なるためそれぞれがより良い形を考える必要がある。また、少子化対策でも効果が得られており、過去の予測推移ではすでに高齢社会に到達していると思われていた高齢者率も18%に留まっている。さらには女性の社会参加も進んでおり、参加のみならず社会的地位も高いのが特徴である。コミューンによって運営されている施設のトップは看護師などが多く、女性が担うことも少なくない。さらには国会議員も4 割が女性である。 このような社会背景を基にして、デンマークは社会福祉国家としての道のりを歩んできた。非常に高い水準の税金を支払うことで、国民すべてが充実した社会保障を確約され、子供を産むこと、働くこと、歳をとることに不安はなくなる。では、日本の社会福祉が一向に充実しないのはなぜか。その問いこそが千葉先生の講義の中で最も重視されたテーマである。それぞれの人によって異なる幸福があるのは当たり前であるが、それでもなお「国民すべてが幸福である」と言われることの最も根底にあるのは、「生活しやすい国」であることだ。生活のしやすさとは何か?これは国民すべてが満足することに他ならない。すなわち、一部の健康な人たちだけではなく、障害をもった人たちも含め、全ての人間が暮らしやすいのである。これはNormalization のルーツでもあり、Humanization とも言われる概念そのものである。これを実現するためには、民主主義であることが必要不可欠だ。国民一人一人が、自分の生活にとっての満足を追求し、話し合いによって決めていく社会の枠組みが必要だ。特に民主主義において重視されている自由・平等・博愛の精神無くして、民主主義と呼ぶことはできない。この問題に直面した時、日本に必要なのは何かを研修生同士で考え、千葉先生が議論を活発にするヒントをくれた。それは、千葉先生がデンマークの地で取り組んできた経験を踏まえ、日本に必要なことは教育改革と国費対策にヒントがあることを学んだ。