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概要

kaigaikensyu45

? 22 ?Ⅰ はじめに 日本は、諸外国に例を見ないスピードで高齢化が進んでおり、2025 年には団塊の世代が75 歳以上となる。その後も75 歳以上の高齢者の割合は増加し続けることが予測される。すなわち国民の医療や福祉の需要がさらに増加することが見込まれる。このため、厚生労働省は2025 年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立支援のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい生活を人生の最期まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の構築を推進している。 私は総合病院や介護老人保健施設でソーシャルワーカーとして勤務し、現在は地域でケアマネジャーとして業務にあたっており、我々の地域でも、急速な高齢化や認知症高齢者の増加、核家族化に伴う独居高齢者の増加など肌で感じている。また、進行したがんや重度の医療ケアを要す進行性の病気を持つ利用者が、住み慣れた我が家で暮らし続ける件数も徐々にではあるが増加している。支援が多様化しており、地域包括ケアシステムの構築の重要性を強く感じている。この研修では第一に、諸外国ではどのようにソーシャルワーカー(ケアマネジャーは日本特有の職種である)が地域の自宅、集合住宅、施設、病院、ホスピスで暮らす高齢者を支援しているのか、第二に、地域包括ケアシステムに必要不可欠と考えられるボランティアが諸外国ではどのように開発され活用されているのか学ぶことを目的とし、貴重な機会を得た。Ⅱ デンマークHillerod デンマークのシェラン島北部にあり、首都コペンハーゲンから電車で40 分程度の距離にある人口3 万人の首都地域の中心地である。市街には世界遺産にも登録されているフレデリクスボー城があり、市民の多くが、高い資質と教育水準を持つ歴史的・文化的にも造詣が深い街である。1.Alholmhjemmet (5 月1 日~ 10 日)  ~認知症高齢者集合住宅~(1)施設概要 日本の「老人ホーム」と似ているが、デンマークは制度の改定により、いわゆる「施設」といわれる概念は無くなり、「専門の職員が配置されている住宅」という概念に移行している。住居は3 つのグループがあり、それぞれ2 ユニットに分かれていて、各ユニットに8 つの住宅とデイルームがある。研修当時46 名の住人が住み、うち4 組8 名が夫婦で暮らしていた。「住宅」である証に、それぞれ住所があり郵便ポストも別々である。各住宅内は二部屋とキッチンがあり、住人の個人