ブックタイトルkaigaikensyu45
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? 23 ?神聖な礼拝の時間住宅外観 閑静な住宅街に佇む情報が入ったパソコンが設置され、職員は住人の住宅に訪問し、パソコンでその住人の情報を確認しながらケアにあたるというプライバシー保護が徹底されている。 職員は、施設全体のマネジャー、全グループを統括するリーダー、各グループにそれぞれリーダーが配置されている。リーダーはデンマークの制度で定められているリーダー教育を修了した者である。その他看護師、看護師アシスタント、介護士、アクティビティ専門職員、秘書が配置され、46 名の住人に対し60 名の職員が在籍する。勤務体制は、各グループに早番3 ~ 4 名、遅番3 ~ 4 名、夜間は夜勤を専門とする職員1 名が配置される。 この住宅はエデン・オルタナティブケア理論を導入し、この理論で定義付けられる“三つの病”「孤独感・無力感・退屈感」を住人に感じさせないよう至るところに花や観葉植物が置かれ、また猫や犬、小鳥や熱帯魚が飼われ、住人や職員、ボランティアが世話をしている。(2)住人の生活 住民は認知症を持つ高齢者とその配偶者、何らかの病気で身体に障がいが残る方であり、コミューンが自宅での生活が困難と判断した場合入居することができる。 デンマークは子どもが18 歳を過ぎたら親から独立し、それ以降親と同居することはほぼ無い。すなわちデンマークの「介護者」といえば配偶者を指し、日本のように「子が同居し親を介護する」という概念がない。住居内にはふんだんに子どもや孫の写真を飾り、多くの子どもや孫が住民を訪れてはいるが、住民に「子どもと一緒に暮らし介護してほしいか」と問うと口を揃えて「いいえ」という返事であった。国民性であると思われるが皆それぞれが精神的に自律していているように感じる。 この住宅には日課が無く、起きる時間も食べる時間も住人の自由である。10 日間E ユニットとF ユニット研修をさせていただいたが、研修初日の朝はほとんどの住人が起きておらず、みんなが集うデイルームが静かであった。翌日にはほとんどの住人が起きていて賑やかであり、住人主体の自由な時間が流れている。食事も好きな時間に好きなものを食べ、昼食時にビールを楽しむ住民もいる。決められた規則や日課が無いので住人は窮屈感を感じないよう配慮されている。 この住宅では平日毎日、時には一日数回アクティビティが催され、職員が誘い住民が選択し参加する。礼拝やビンゴ、体操のアクティビティに参加をさせていただいたが、参加している住民の表情が明るく変化することに感動した。ビンゴは住人がお金を出して参加するのであるが、認知症重度の方でも昔楽しんだゲームについてはルールも思い出すようであ