ブックタイトルkaigaikensyu45
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? 24 ?る。また例え数字を間違えそうになっても他の住人が手伝ってくれ、社交の場が成り立つ。勝負事であるからそれぞれ目が真剣であり、賞品を得た時の笑顔は最高である。ある住人は「デンマーク人はみんなギャンブル好きよ」と笑っていた。またある夜にはダンスパーティが催された。残念ながら研修時間外であったため参加できなかった。住民の中に、すべてのケアを受け入れない女性住人がいたのだが、認知症コーディネーター資格を有するリーダーがダンスパーティに誘ったところ、驚くことに参加し、お酒を飲みながらダンスを楽しんだという。翌日職員がシャワーを勧めたところ女性はケアを快く受け入れた。認知症が重度のためどの程度の記憶が残っているか分からないが、過去の楽しかった記憶や幸福感が刺激され、職員との関係に変化を及ぼしたのであろう。 毎週月曜日に、足のクリニックに勤めるフットセラピストが来て、7 名程度の住人のケアを行う。すなわち、2 か月弱で住人全員のケアをする計算となる。足裏マッサージ、爪切り、甘皮むき、膝下から爪先までのマッサージを30 ~ 40 分で行う。料金は1 回日本円で3,500 円程度であるが、ある一定の所得未満の住人はコミューンに申請すると返金される。住人はとても気持ちが良さそうで満足していた。(3)ケアの実際 ヘルパーを中心に看護師やアシスタント看護師の方々に付いて研修させていただいた。前述したとおりエデン・オルタナティブケア理論を導入しており、1. 高齢者にとって馴染みのある環境、関係をつくる、2. 動植物また子供たちとの交流により張り合いのある生活作りを手助けする、3. 職員がやりがいを感じられる職場環境を作り出す、ことにより人間の本来住むべき環境を創ることを目的とした理論である。勤務している職員も研修生も高齢者に与える効果を実感し気に入っている。日本の施設介護との違いは、職員は住民と「共に暮らし」、専門性を活かし「見守る」人々といった印象である。デンマークは、一日に一回温かい食事を食べるという習慣、食文化である。住民は、朝食はチーズやジャムを塗ったパンやオートミールを、昼食は黒パンの上に様々な具材をのせた伝統的オープンサンドを、夕食はデリバリー会社から住人本人が選んだ温かい食事を食す。そのため職員は朝食と昼食を各ユニットにあるデイルームにあるキッチンで作る。認知症高齢者住宅であるにもかかわらず、ナイフもフォークも壁に掛けてあり日本の施設ケアとの違いを感じる。ビンゴの時間移乗介助はリフトで行う移乗用リフト