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概要

kaigaikensyu45

? 32 ?寿ホーム(6 月1 日~ 6 月14 日)~日本人または日系アメリカ人高齢者施設~(1)施設の概要 カリフォルニア州より「特別認可」を受けたことにより、在宅(自宅)扱いとなる。在宅扱いとなると、州より低所得者に対する金銭的支援が認められるため、低所得者でも利用が可能になる。また、終末期の病状になると公的医療保険が認められるため、この施設に入居していても在宅ホスピスケアの利用が可能となること、利用基準に政府が関与する制限がないため、高齢者の心身の機能が時間の経過とともに低下しても継続利用が可能であること、という利点がある。アメリカのホスピスケアは、医師が医学的観点から患者が終末期に入ったことを判断すると、公的医療保険が適用となり、在宅に暮らす方にはホスピスケアを提供するホスピスや組織が介入を開始する。実際、寿ホームも在宅扱いであるため、終末期と判断された入居者には、主治医や看護師、ソーシャルワーカー、チャプラン、ヘルパーが訪問し、本人やその家族が希望する範囲の医療ケアが提供される。医療ケアの提供頻度は看護師が判断する。研修前月の5 月に、2 名の入居者を看取ったという。うち1名の入居者は、一時入院し療養している期間に病院より終末期の判断がなされない状態で再入居となったため、ホスピスケアの提供がなされず、ホームの職員が献身的にケアを行った。またこの方は郡が後継人であったため、郡の「最大限の医療を提供する」というルールに則り、息を引き取られた時も救急車を呼ぶことが絶対必要で、救急隊は心肺蘇生を行い、その後検死が行われた。職員は長期間入居者を介護し、緩やかな加齢に伴う低下であることや、入居者がそのような蘇生を望んでいないことを理解していたが、法治国家であるアメリカでは法律や制度が優先されるため、郡が後継人であると郡のルールにより最大限の医療が行われる。職員にとって、この入居者の最期の時間が穏やかなものではなかったことの無念さは計り知れない。(2)ケアの実際 閑静な住宅街の、一般の住宅を借り上げ運営されている。内部も改修などしないアメリカ一般の家屋である。至るところに富士山の絵画や、日本の置物が飾られ、またテレビも日本のテレビ局のチャンネルが設定され、屋内にいるとここがアメリカであることを忘れるほど日本の雰囲気を醸し出している。職員もアメリカ在住の日本人で構成されているため、いつでも日本語が話せ聞こえているので尚更である。福泉施設長の食を大切にする思いから、提供される食事は日本食で寿ホーム 外観日本の置物で飾られたデイルーム