ブックタイトルkaigaikensyu45
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? 37 ?がいが原因で、自ら支援を求めることができない患者や地域住民である。本人が声を上げられないことから、本人に代わって、入院先の病院の医師やソーシャルワーカーから介入を求められることが多く、ソーシャルワーカーは依頼先には病院内外問わず出向き、関係機関から情報収集や本人と面接を重ね、本人の権利擁護を行う策を見つけるのである。本人に問題意識が無いことが多く、支援を受けるかどうかは患者の自己決定が優先されるため、ソーシャルワーカーが支援の必要性を強く感じても本人に断られ、支援を中断せざるを得ないことがあることである。3.Youville Residence(6 月21 日) ~認知症高齢者病院・認知症老人ホーム~ 1937 年、カソリックの修道女が、病気や貧困に苦しむ未亡人を看護・介護するために建てられた。時代の流れによる制度の変遷により、現在はブリティッシュコロンビア州民が利用する病院・老人ホームとなっている。看護や介護を提供する修道女が住んでいた6 階は現在使用されておらず、4 階と5 階は認知症が重度の患者に医療を提供する病院、2 階と3 階は認知症老人ホーム、1階は礼拝室や売店として使用されている。半地下は一般の保育所に貸し出されていて、正面玄関や庭には子どもたちの声も聞こえてくる環境である。建物は古いが、広い庭、各階にベランダがあり開放的である。 認知症高齢者病院は、16 名の患者が入院している。毎日精神科医師が来て、診療を行うほか、日中は看護師2 名、介護士1 名、臨床心理士1 名、OT1 名が勤務し、手厚い看護や介護が提供されている。 老人ホームは、42 名、男女比5:5 の入居者が生活を送っている。全て個室で、部屋には大きく名前や写真が貼り出され、入居者が自分の部屋を見つけやすくなっている。また壁には本物と同じ型のスイッチや鍵が設置されており、入居者が何度でも触れ満足感を感じることができる。またバッグやベルトも壁かけに掛けられ、入居者が持ち出し歩き回ることができるようになっている。 認知症が原因で、様々な事柄について自己決定ができない状態にある入居者が多いが、家族や親族がいない入居者は公的後見人が金銭管理を行う。治療を受けるか否かの医学的判断は、職員が公的後見人に医療情報を提供し、入居者は必要と考えられる医療を受けることとなる。 ソーシャルワーカーは、たとえ物事の理解ができなくなっている認知症高齢者に対しても常に開放感のあるベランダ正面玄関の側に礼拝室がある緩和ケア病棟ソーシャルワーカー