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概要

kaigaikensyu45

? 52 ?④  最後に耳が聞こえない知的障害の方のセッションに参加した。インタラクティブルームにて、様々な触覚刺激と視覚刺激を楽しむセッションである。彼女はウォーターベッドの上に座ると、箱の中から気になるものを取り出し、スタッフに手渡す。そして首を傾け、首の後ろに当てることを要求する。体から得られる触覚刺激を感じることで落ち着いた様子であった。興味の対象は主に刺激の多いもの(たくさん毛先があるもの)である。それ以外の玩具を彼女に手渡しても、嫌がることはなく、関わりを受け入れ、感覚に注意を向けていた。プロジェクターのプログラムにも興味を示し、手をかざすと動くプログラムでは、見本をみながら一緒になって手を動かしてくれるのであった。(4)音楽セッションでの関わり 音楽セッションを担当するのはGlann さんで、ミュージシャンである。この日は、施設から来た2 名の方と、職員2 名の方のセッションに参加させてもらった。Glann さんはまずはゆっくりとした音楽を演奏しながら、今日の参加者の様子を確認していく。彼は、曲のテンポや音程を変えることで、参加者がどのような音楽に興味を示すか探っているようであった。途中発せられる利用者の声に耳を傾けながら、4 曲ほど様々な音楽を演奏し、その他に興味のありそうな楽器などを用いて関わっており、終始音楽を用いた活動を行なっていた。これらのセッションは50 分ごとに区切られており、最大で3 名までのグループセッションが可能である。(5)施設を訪問しての学び スヌーズレンを用いた関わりを知ることができ、非常に興味深い体験を得ることができた。センターの中に様々な部屋があり、1 日を通して多くの人が利用をする。これらの施設がチャリティーと個人の負担でまかなわれていることが何より素晴らしい。医療的なサービスとしてではなく、国からの援助による福祉機関としてでもなく、独立した運営を行なっており、資金調達のためのクラブ活動(1 回5 ポンド750 円くらいで参加できる)などの取り組みにも積極的である。訪問した日にもダンスクラブが開催される予定であったらしく、この他にも様々な取り組みが行われている。日本においても、多くの教育機関や福祉機関でスヌーズレンの取り組みが広く行われている。その一部では、個人向けに利用の提供を行なっている施設がないわけではない。今回のような施設が、障害を持つ子どもと大人のために広く提供されることは非常に素晴らしいことであり、日本においても広まりが期待されると感じた。音楽セッションで演奏をする様子