ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

kaigaikensyu45

? 63 ?たちの手で片付けが行われ、次の生徒のためにグラスと食器を並べ、部屋を移動する。各部屋は学校のクラスと同じ区分がされており、クラスの名前も同じである。職員は1 名が必ず部屋に待機するが、生徒はその部屋にいないといけないという決まりはなく、自由に移動を行い、活動する。その際は必ず掲示板に示された自分のマグネットを、移動する部屋に置き換えてから遊びにいく。アフタースクールの利用も障害をもつ生徒も一緒に活動する。生徒同士での関わりが主であり、職員が積極的に障害のある生徒に関わることはない。(5) 学校の訪問を通しての学び ドイツの医療制度、教育制度はどことなく日本と似ている部分が多かったが、その一方で、州ごとや学校ごとに異なる教育カリキュラムなどの課題も知ることができた。日本との大きな違いは、障害を持つ子どもを受け入れるシステムであると感じた。日本では通常学校で、車椅子で通う子どもや、視覚障害を持つ子どもが通うための設備はほとんど整っていない。一方で、ドイツはエレベーターなどの設備があるほか、教員の他に授業をサポートする職種が確保されている。もちろんドイツにも特別支援学校と呼ばれる学校はあるが、人数も少なく、子どもにとって関わりが少ないと感じる親は通常学校への通学を希望するらしい。しかし、今回訪問させていただいたFLAMING GRUNDSCHULE は、通常学校の中でも特別な学校であることが強調されていた。子ども支援をする職員を確保するための予算や、設備投資などを行うための予算を確保ができているのは珍しいことで、それだけにこの学校に対する評価の高さを知ることができる。全ての学校がこのように充実しているわけではないが、日本の学校にも取り入れていくべき取り組みであると感じた。Ⅳ デンマークの重度障害者住居施設オーデンセ1.Munkehatten (5 月20 日?5 月24 日)  ?成人の重度障害を持つ方の住居施設?(1) 施設について 施設には45 名の住民が暮らしている。それぞれ、8 名のユニット、9 名のユニットが3 つ、10名のユニットと合計5 つのユニットに分かれている。45 名の住民のうち、12 名は胃ろうを利用している。全ての部屋にはリフトが備え付けられている他、トイレ、シャワー、冷蔵庫や洗濯機などの設備があり、部屋はリビング、寝室、バスルームがある。これらは法律で定められているということで、以前見学した同様の施設と同じ作りであった。個人の部屋の他に、日中食事をとっ