ブックタイトルkaigaikensyu46
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? 9 ?えている方々は全体の90%を超えているそうだ。日本でも同じような考え方で看取り介護について学んでいる。しかし、デンマークと日本の決定的な違いは、対象者を主語とした目標や目的に対する意識、一人ひとりの専門職としての意識や誇りの高さや大きさに差があると感じた。その背景には、歴史や政治の違いなど様々な要因があるが、今まで自分が実践してきたことに間違いはないと確信できた研修だった。4.4 月24 日(火) 13:30 ~ 15:00 視 察:Tasinge Plejecenter(高齢者施設) 対応者:リーダー Jane Schleimann 報告者:田川 雄一 高齢者施設Tasinge Plejecenter は、“施設”という概念はなく、入居者がアパートを賃貸するのと全く変わらない仕組みになっている。居室に備えられているのは介護用ベッドとクローゼットのみで基本的には自宅から家具などを持ち込んで自分の居住空間を自身でレイアウトしている。1 ユニットは約8 名の定員となっていて、全部で5 ユニットある。1970 年に建築され、昔は2人部屋があったが、共同のトイレ・共同のバスルームを使うという考えは現在ではあり得ないと言われていた。ユニット内では、介護職員と看護職員が中心となり、入居者が主役となる介護が行われていた。また、キッチンにはキッチンリーダーという調理員がユニットごとに配置され、簡単な調理などはその職員が担っている。食事では、視覚・聴覚・嗅覚などの五感を刺激するための工夫がなされており、自己選択・自己決定を前提とした方法を取っていた。入居されている方々には、様々な障害や疾病を持っており、それぞれの生活が個々によって違う。食事は、食べたい時間に食べたい場所で、食べたい物を食べる。また毎日がバラバラではなく、時には共有の食事でコミュニケーションを大切にした食事の機会も設けている。ユニットでは、職員一人ひとりが“主導権は入居者にある”という認識があり、入居者をリスペクトしていた。またユニット運営についての決定権は、選挙で入居者代表を選出し、代表者の許可がなければユニット内のルールを変えることは出来ない。あくまで入居者が主体となった運営方法をとっていた。チームリーダーもユニット内のいろいろな相談を入居者に対して行い、意見やアドバイスをもらっている。ある入居者の住居を見せてもらった。居住空間は25 ㎡ぐらいだろうか、とても広い空間にくつろげる環境を作っていた。家族の写真を飾り、自宅から持ち込んだ家具は先祖代々受け継がれている大切な家具だそうだ。また、住居にはバスルームとトイレがあり、重度の状態でも介護が出来るような空間が整備されている。移乗用のリフトが全ての住居に整備され、介護者が抱えるという行為は行わないようにしている。入居者のみならず、介護者の負担軽減についてもよく考えられていると感じた。