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概要

kaigaikensyu46

? 10 ?この施設には、デイサービスが併設されていた。デイサービスやリハビリ室は地域に開放されており、住民が自由に利用することが出来る仕組みとなっている。デイサービスには定員がなく、曜日ごとのイベントに応じて、利用者自身が好きな時に利用していた。また1 年に1 度、競技大会としてのビッグイベントがあり、“オリンピック”と呼んでいる。地域のコミューンにある施設が順次、開催地となり、会場へオリンピック選手(利用者)が集まる。勝者にはトロフィーやメダルがあり、高齢になっても勝負事には真剣になると言われていた。オリンピックの数か月前から高齢者たちはトレーニングを積んで練習を開始するそうだ。中途半端なイベントではなく、開会式には市長が来られ、聖火が灯されるなどの流れはオリンピックそのものである。施設内だけでなく、地域全体が一体となって活動していることに本当に驚いた。また、こうした活動はSNSを通じて発信しており、地域の話題となっているようだ。5.4 月25 日(水) 10:00 ~ 12:00    視 察:Flemlose Plejehjem(認知症ケアハウス)  対応者:施設長 Lene Stubgaard  報告者:田川 雄一認知症ケアハウスFlemlose Plejehjem の管理者をしているLene Stubgaard さんから管理職としてのマネージメント方法論を学んだ。彼女の管理方法は独特であり、中間管理職を配置しないフラットな組織で運営している。つまり、管理者がいて、その直属の部下は全員同じ立場の職員となるわけだ。この施設は認知症を専門としたユニットで構成されており、4 ユニットでベッド数27 床と緊急ショートステイ5 床の認知症高齢者に対して、約50 名の専門職でケアしている。また、夜間は夜間専門職員を委託業者に任せているという。特に攻撃性の高い認知症高齢者などを積極的に受入れる施設としては数少ないという。そんな中で、Lene Stubgaard さんは管理者として、チームの職員一人ひとりを信じ、チーム内のことは全てチームに任せるようにしている。この方法は彼女独自の方法であり、約8 年前から続けているという。8 年前には中間管理職を配置した縦社会の組織になっていたが、彼女が管理者となったときに方法を大きく変更した。当然、周りの職員には批判も多く、受け入れるまでに時間はかかったとのこと。しかし、今では他の施設に対して自慢できるほど、職員一人ひとりがこの体制を理解し誇りをもっている。チーム内のことはチームが責任を持って行うことになっているため、職員が不足したら、面接・採用することもチームが行う。チーム内のトラブルは、チームメンバーで考え、話し合い、解決しているとのこと。時々、チーム内で解決できないこともあり、その時は管理者として、話を聴くこともあるが、あくまでも相談にのるだけで解決させるのはチームだそうだ。では管理者として何の仕事をするか?ということが疑問として出てくるが、彼女は管理者の役割を次のように述べた。管理職の役割は、“価値を守り続ける。ここにいる住民の一日一日の生活