ブックタイトルkaigaikensyu46
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? 13 ?7.4 月25 日(水) 15:30 ~ 17:00 訪 問:地域包括管理栄養士 対応者:地域包括管理栄養士 Ms. Lene Marie Moritzen 報告者:加藤 奈津子地域包括管理栄養士の業務には、高齢者担当、予防担当(糖尿病・動脈硬化・癌等)があるが、このコミューンでは高齢者担当はLene 氏一人で行っているとのこと。7 つの在宅チーム、9 つの施設、一つのリハビリセンターが管轄だそうだ。かなりの人数を対応していることとなる。在宅職員や施設職員、配食サービス業、教育機関等が関わりの深い職種だと言うが、連帯支援でなければ当然不可能であると感じた。在宅支援でも話があったが、栄養スクリーニングは統一された書式を使用している(ちなみに、病院で使用しているスクリーニングはやや異なり、診断名によってポイントの割り振りが変わってくるシステムになっているそうだ)。ここのコミューンではスクリーニングを行うのは介護職員である。さて、在宅医師、または当事者関係職員から依頼があって管理栄養士の介入は始まる。まずアセスメントを実施するが、在宅の場合は極力訪問するようにしている。住んでいる部屋の様子や冷蔵庫から食生活を垣間見ることができるからだとおっしゃっていた。アセスメント実施項目は社会的影響、肉体的影響、生活の変化、食事状況、資源等で日本のそれとほぼ同じであるが、デンマークでは「本人が目標設定をすること」「生活が基準であること」、この2 点が共通の基盤として根付いていた。高齢者施設には栄養士が存在しない場合が多く、このコミューンでは地域包括管理栄養士が年に4 回ずつ施設へ介入している。施設代表者、調理代表者、リーダー、作業療法士、地域包括管理栄養士等でグループを構成し、嚥下状態や調理時にできること、観察対象者についてミーティングを開催しているそうだ。配食サービスについては、コミューンが推薦している団体(国が定めた栄養価をクリアしているところ)がいくつかあるが、選択は自由となっている。「高齢者向けの高カロリーな常食」「糖尿病患者対応の低カロリーな常食」「少食の人向けの少量で高カロリーな常食」「やわらか食」等がある。酵素を使用したやわらか食は世界共通であるが、見た目にもこだわる食事を提供しているのは日本のよいところだと感じた。驚いたのは「米飯をミキサーにかけると糊のようになってしまうが日本ではどうしているのか」と尋ねられたことだ。デンマークでは米飯を食べる習慣が広まってきているようであるが、ミキサー食でも米飯を提供しようと試みている事実を知り、大変嬉しく思った。粘りのでない、でんぷん質を分解する酵素入りのトロミ剤があることをお伝えした。Lene 氏からは口腔内に残りにくいトロミ剤について教えていただいた。十分なカロリーやたんぱく質を安全に摂取していただくことに切磋琢磨しているのは日本もデンマークも変わらないと感じた。経管栄養実施者はデンマークにおいても年々増えつつあるという話だったが、このコミューン