ブックタイトルkaigaikensyu46
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? 19 ?Ⅲ.社会福祉法人 瑞祥 特別養護老人 ホーム ビラ・オレンジ 管理栄養士・介護支援専門員 加藤 奈津子まず初めに、あっという間の5 日間だったが、とても濃厚で充実した時間を過ごさせていただきました。これもひとえにMomoyo 先生はじめ、千葉先生、山本さん、その他多くの関係者の皆様方のおかげであると思っています。この場をお借りして心より御礼申し上げます。私は、幼少期に4 年間の海外生活経験があるが、大人になってからは今回が初めての海外渡航である。待ち望んだ研修が始まるという期待と、異国の地での生活、言語への不安とが入り混じった、そんな想いで成田空港へ向かった。同期の仲間に助けられ、デンマークの空港に降り立つ。ノーフュンスホイスコーレに到着すると、温かく私達を迎え入れてくれ、心よりホッとしたことを覚えている。いただいた食事のなんと美味しかったことか。この食事の味は一生忘れないであろう。合同研修はMomoyo 先生の講義からスタートした。デンマークのイメージを聞かれ、私は「(福祉国家と言われているが、その分)税金が高い」と答えた。デンマークの国民は納得した上で税金を納めており、税率を下げるよりも、継続する方を望む意見が多いという事実に衝撃を受けた。しかし、その後の講義内容や実際に施設等を訪れ、見学させていただいたり、話を聞かせていただいたりすればするほど、国民の想いに共感していった。社会福祉の理想が、デンマークでは現実に形となって存在していた。実現は難しいと思われる国家が、統一された認識のもとに作られたシステムによって可能となっている姿は大変魅力的に映った。また、専門職としての誇りを持ち、常にスキルアップを図りながら、働いている姿が印象に残った。同じ職種でも、専門が分かれていることは、印象深い内容だ。ペタゴー教育を学んだ際も、レゴブロックであひるを作る作業で、何ともノーマルなあひるを作った私は、自分の発想力のなさに落胆したが、「それこそが個性であり、ペタゴーの仕事である」という言葉を大切にしていきたい。専門職もそれぞれに得意分野があってよいのだと。ひとりひとりの能力を活かしてこそ、よいものが生まれるのだと。今までの仕事のスタイルを見直すきっかけになった。とにかく、この5 日間は驚きと感動の連続であった。私が今まで見てきた福祉の世界は、なんと狭かったことか。福祉大国として有名である理由を肌で感じることができた。共通認識を持って取り組むことの大切さ、また、同時にその難しさを感じた。国全体が福祉を重要な課題であると捉え、教育しているからこそ、成り立っているのだと思う。デンマークで学んだことをこの後、訪れる国で参考にしながら、研修に臨みたい。また、自分の研究テーマだけでなく、同期の仲間のおかげで、保育士や生活相談員、指導者としての分野でも研修先を訪れることができたのはとてもよい機会と刺激になった。ここからは一人で頑張らないといけない。寂しさを感じるが、デンマークで出会った全ての方々に感謝しつつ、ここでの経験を糧にして次の研修先へと旅立ちたい。