ブックタイトルkaigaikensyu46
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? 38 ?Peel 地区の福祉課でResource Consultant として勤務するLori 氏から障害のある子どもとその家族への支援についてお話を伺った。この地区には子どもの療育やセラピー、医療、発達の支援等、合わせて6 つの機関が様々なプログラムを提供している。このサービスは政府の後ろ盾があるため、サービスは全て無料で受けることができる。Pirs はその中の一つの機関である。子どもに何か心配事があった場合は親、教師、医療機関等、誰からの相談でも受け付けている。また、認可のチャイルドケア施設(カナダには基本的に認可のチャイルドケア施設しかない)へ巡回を行い、子どもや親、教師へのサポートも行っている。福祉課には12 人のResource Consultant がおり、分担して巡回を行っている。基本的なPirs の役割は以下の通りである。・家族、教師への情報提供・ポジティブな子どもの学びへと繋がるように各機関と協力すること・ コンサルテーション、子どものゴール達成へのステップへ向けて、家庭と教育現場でできることを提案する・ニーズに合ったサービスの提供・ゴールの見直しに関しての会議を持つ・移行時期、新しいサービスへ移行する際の手伝い訪問先では親、教師と共に子どもがどのようにクラスへ参加していくかを一緒に考える。教師がサポートのアイデアが必要であれば訪問回数を増やしたり、まずは発達のチェックリスト(Ages & Stages Questionnaires) をつけ、教師たちへのアドバイスを行う。具体的にサポートが必要となれば手順に従って、Lori 氏がインテークとアセスメントを行う。心理士による心理テストも行うが、ニーズが多く1 年待ちだという。具体的に計画案ができれば、親も交えてミーティングを行う。どのエリアのサポートが必要なのか、大抵は3 つのゴールを立て、3 ヶ月間、現場の教師が毎日チェックをしてデータをとるようにする。そこからまた見直しがされ、新たなゴールの設定、実践というサイクルを繰り返している。カナダでは基本的にインクルージョンの精神が浸透しており、障害のある子どもも一般の学校へ通うことが前提である。その際も1 対1 で子どもに加配の教師がつくということはしない。その発想は捨てなければいけないという。なぜならその大人との関係だけになってもインクルージョンの意味がないからである。相談のケースは実に様々である。依頼があった場合はまずは学校や家庭に出向いて観察を行い、戦略を立てる。どのような支援が必要か、使える資源、プログラムの提供などを頭の中で思い巡らせるという。サービスの利用には様々な関係者との情報共有や良い関係性を保つことが必要であるため、随時、関係者でのコンサルテーションも行っている。そこには必ず家族がいることが前提である。セラピーなどのサービスを受けている最中も必ず親が同席しているという。誰が一番、子どもの近くにいるのか?それは家族である。家族の参加なしには支援は成り立たないというのがカナダの考え方である。何れにしても、サポートが始まるまでに膨大な数の用紙が用意されてPeel 区役所 外観