ブックタイトルkaigaikensyu46
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? 54 ?ダニーデン(6 月17 日?6 月21 日) 1.University Of Otago ?オタゴ大学?(1)School of Physical Education, Sport & Exercise Science1996 年よりオタゴ大学体育学部で発達と障害について講義する傍ら、運動発達クリニックを運営し、発達性協調運動障害(Developmental Coordination Disorder 以下DCD)などの発達障害の研究をされている宮原教授を訪ねた。DCD とは協調運動を必要とするような日常の活動における動作(協調運動の発達)が暦年齢に対して著しく遅れている状態。核となる症状は運動発達の著しい遅れや運動技能の稚拙さが学業成績、日常生活、大人になっても職業活動及びレジャー活動に支障をきたしたり、深刻な心理社会的な問題として現れる場合がある。合併障害にはLD、ADHD、ASD などがあげられる。クリニック室内過去の資料やカルテが並ぶ宮原教授と運動発達クリニックの概要:クリニックは、半世紀以上の歴史を持ち、指導に使う部屋には所狭しと歴代の論文や文献、カルテなどが詰まっている。クリニックは体育学部の一部に設けられており、体育学専攻の学生が、運動に問題のある子どもに運動指導をするという経験を積む場である(子どもに接する学生は犯罪履歴証明書が必要である)。そして、このクリニックに通う子どもの背景は様々であり、神経系に明らかな運動障害の原因がある子どもからいわゆる「不器用」とよばれるが、原因がはっきりしない症状の子どももいる。身体を動かす事が苦手、手先が不器用でうまく靴紐が結べない、文字が上手く書けないなどという子どもである。クリニックでの介入方法は認知行動理論の枠組みに基づいたケースフォーミュレーション(表1)を用いて、子ども一人ひとりの状況や要因について分析し、個人にあった介入方法を計画する。初回面接ではどこから紹介されたか、親が既往症と診断名をどのように理解しているのかを知る。次に、胎児期や周生期の状況、発達のマイルストーンの達成はどうかを具体的に親の言葉で語ってもらう。そして、日常生活で運動の問題がどのように発現するのか、具体的な運動課題と環境を探る。運動及び心理社会機能の評価には、観察アセスメントと標準化された質問紙や検査を用いる。初回面接に親子で来訪した場合は、学生は子どもと遊んでラポールを確立しながら観察ア