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概要

kaigaikensyu46

? 62 ?いていくかが重要である。草木のある隠れ場所、ツリーハウス、そこに仲間が集まって、コミュニティー(文化)を作る。どう人と関わるか、振る舞うか、コミュニティー(文化)を知ること、それはとても大切なことだと考えている。」と、Russell 氏は言う。自然溢れる園庭2 歳以下の子どもの保育室3 歳以上の子どもの保育室遊びはコーナーに分かれているコミュニティーといえば、NY へ行った時にどこかのデイケアの子ども達が公共の公園に遊びに来ていた。自分の園にはこのような園庭があるので外に出ることを思いつかなかったが、子どもたちが石や木によじ登ったりして遊んでいる姿を見て、毎日でなくても地元のコミュニティーへ参加すること、自園の子ども達もそういう経験をさせてあげたいなと思った。自分の子どもの頃はよく野山へ行ってそういう遊びをしていたが、最近は共働きの親が多いし、そういった時間を家族でとれないという家庭もある。現在、園にはスペシャルニーズの子どもは在籍しないが、今までに数人受け入れていた経験がある。歩くことが難しい子どももいたが、特別な扱いをすることもなくみんなが見守った。自閉症児の子どももいたが、行動調整が非常に難しく、専門の療育センターへ相談した経験もある。ニュージーランド では基本的に5 歳以下のスペシャルニーズの子どもは通常のデイケアへ通っている。そこでは特別な何かを受けるということではなく、友達の中で同じように生活をしていく。その子ども達が特別というより、この年齢の子ども達はみんな何かのニーズや課題を持っている。障害のある子どもだけにサポートをするというよりは、子どもみんなにサポートが必要であり、関わる全ての大人が、ケアするという考えが必要だと思っている。幼児教育の時代はそういうことが大切だ。小学校へ行けば、今度は専門家が入り、様々なリソースを使ったサポートが受けられるであろう。この時期はやはり家族に近いところで私達がサポートをすることが重要だと思う。なぜなら、幼い時に障害があるとわかり、家族はショックだろうし、苦悩が絶えないだろう。子ども、家族に寄り添う事が幼児教育の現場の役割だと言える。Ⅵ おわりに5 カ国、20 箇所以上の研修先を訪問し、実に様々なタイプの保育・教育施設を知ることができた。