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概要

kaigaikensyu46

? 84 ?(2)高齢者の生活とスタッフの日常業務入居されている高齢者は、認知機能が低下する前から入居するケースが多い。よって、高齢化が進み、認知機能が低下してきたとしても、その生活は習慣として慣れ親しんでいる。アルツハイマーで短期記憶障害がある方でも一人で食堂まで来ることが出来るという。認知症になっても住み慣れたところで生活が出来るという理想的な仕組みであると感じた。また、彼らのほとんどは看取り期まで、日系ホームで生活する。最期の1 週間ほどは病院に入院して看取られることになるが、彼らにとっては本当に良い最期を迎えることが出来ているとスタッフの方が言っていた。日系ホームには、エクササイズインストラクターと多くのボランティアの方々がいる。ボランティアの方々は全部で60 名いるという。毎日、エクササイズの時間があり、約30 名程度の入居者が参加し、音楽リズムに合わせて、声と身体を使ったエクササイズが行われていた。入居者の自立及び身体機能の維持はこのエクササイズにあると感じた。他にもレクリェーションを通しての脳トレーニングなど、月間プログラムによって、スタッフ1 名とボランティアが中心に行われていた。また、レクリェーション終了後は、スタッフとボランティアがミーティングを行い、行ったことが入居者一人ひとりに適していたかどうかを話合っていた。それらは記録され、今後の計画立案に役立てているという。ボランティアの力は本当に大きいと感じた。日本語と英語を使った調理療法ボランティアの方々レクリェーション以外の個別の生活について、イベントがない時間帯の入居者は、ほとんどを居室内で過ごす。入居者のほとんどが日系人のため、日本のニュースなどをみて過ごしているようだ。居室内では家事などを行い、まるで自宅での生活とほぼ変わらない。介護が必要な高齢者に対しては、適宜、訪室して対応しているが大体の方々は自立していた。もちろん転倒して骨折などをしている方もいたが、彼らは慣れ親しんだ居室でいつもの生活を継続しているだけのように見えた。スタッフの唯一の重要な業務は服薬介助などの簡単な医療に関する業務であった。定期的に居室内を訪室し、各居室の戸棚の内服薬などを管理している。戸棚の鍵はスタッフが管理し、服薬介助、血糖測定などの行為を行っていた。内服薬の管理について、1 箇所でまとめて管理する方法ではなく、居室ごとに管理しているため、配薬ミスが起こらないといっていた。