ブックタイトルkaigaikensyu46
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? 85 ?また、入居者のほとんどはシルバーカーを使用していた。カナダだけではないが歩行するための介護機器はシルバーカーが最も良いという。骨折後の経過により、4 点歩行器を使っている高齢者もいたが現在シルバーカーの練習を行っている。シルバーカーは荷物を入れるスペースがあり、疲れた時には椅子としても活用出来るという利点があり、とても便利とのこと。(3)人材教育スタッフは、マネージャー、主任、准看護師、介護士、行事コーディネーター、家事(ハウスキーピング)係、修理係、経理、受付で構成されている。組織はほぼフラットに近く、フレンドリーな関係であると言われていた。情報の共有は主にインターネットで行い、朝礼や申し送り、たくさんの書類に目を通すこともない。日本以外の国は、なぜ情報共有が出来るのか?やはり疑問に思うところであるが、彼らの業務の流れを観察しているとやはりコミュニケーションの豊富さであると感じた。スタッフが集まり、コーヒーを飲んだり、お菓子を食べたりして、仕事の話を常にしているように感じる。また、介護士は1 年6 か月の研修を受けることで資格を得ることが出来るという。入職後に新人育成研修を受け、その後はスキルアップのための勉強会などは存在しない。彼らは自分自身で方向性を考え、独学で学んでいるからだ。なぜ、このような環境が生まれるのかが日本で働いていると全く理解できない。しかし、振り返ってみると、出席率だけのために出席する勉強会や会議、毎日の様々なストレスやプレッシャーなど日本では自身が向上しようとする環境ではないと感じる。Ⅴ おわりにデンマーク、スウェーデン、アメリカ、カナダを訪れ、それぞれの国の違いを肌で感じることが出来た。その背景には、歴史、文化、宗教、国民性、言語、経済などが大きく影響しており、それぞれの福祉システムの利点を日本に導入出来るかというと非常に難しいと感じた。私の研修のテーマは“人材育成”にフォーカスを置いている。海外の福祉施設でも日本のように勉強会や研修会、新人教育などに重点をおいて人を育てていると思っていたが、実際は想像していたものと少し違っていた。デンマークでは、ノーマライゼーションの思考を価値観とし、子供の頃からその教育が行われている。どの国もその思考を価値観としているが、デンマークの意識の高さは他の国と比べても比較にならないほど高かった。